マデカッソシド(Madecassoside)とは──抗炎症・鎮静の中心
「CICA=肌を落ち着かせる」というイメージの中心にいるのが、マデカッソシドです。ツボクサの配糖体のひとつで、抗炎症・鎮静の文脈でよく取り上げられます。ここでは、その正体と研究でわかっていることを段階を添えて整理します。
マデカッソシドとは
マデカッソシド(Madecassoside)は、ツボクサ(Centella asiatica)に含まれるトリテルペン成分のひとつです。 ツボクサの4つのトリテルペンのなかでも、 抗炎症・鎮静の話でよく名前が挙がります。成分全体の見取り図は ツボクサ成分の総まとめ(抗炎症・鎮静の項)もあわせてどうぞ。
配糖体としての位置づけ
マデカッソシドは配糖体(糖がついた形)です。糖が外れると マデカッシック酸(Madecassic acid)という「アグリコン(糖なしの本体)」になります。 つまりアシアチコシドとアシアチック酸のペアと同じく、マデカッソシドとマデカッシック酸も“糖のありなし違いのペア”の関係です[1]。
名前が似ていて混乱しやすい
「マデカッソシド」と「マデカッシック酸」は名前がそっくりですが、前者が配糖体、後者がアグリコンです。 違いは4つのトリテルペン早見表で並べて確認できます。
抗炎症・鎮静の研究
「CICA=鎮静」というイメージの背景には、抗炎症に関する研究の蓄積があります。 ツボクサ抽出物には、抗アレルギー・抗そう痒(かゆみ)・抗炎症の作用を検討した研究があり[2]、 総説でも、トリテルペン成分が炎症に関わるシグナルとの関連で論じられています[1]。 マデカッソシドは、こうした鎮静系の話題の中心にいる成分です。
アトピー・かゆみのモデル研究
アトピー性皮膚炎のモデル(培養細胞・マウス)を用いた研究では、ツボクサ抽出物が 炎症に関わる指標を抑えたことが報告されています[3]。 敏感に傾いた肌をいたわる文脈でツボクサが語られる理由のひとつです。
研究段階の読み方
モデル研究とヒトでの実感は別
これらは主に in vitro(試験管)や動物モデルでの知見です。ヒトの肌でどこまで同じことが起きるかは、 濃度や試験設計によって変わります。「炎症経路に作用しうる、有望な研究段階」として押さえるのが正確です。
まとめ
- マデカッソシドはツボクサの配糖体で、マデカッシック酸とペアの関係。
- 研究では抗炎症・抗かゆみ・鎮静の文脈で言及が多い成分です。
- 多くは in vitro/動物モデルの段階で、断定を避けて読むのが正確です。
出典・参考文献
本記事の記述は、以下の一次情報(原著論文・公的資料等)にもとづきます。
- Sun B, Wu L, Wu Y, et al. Therapeutic Potential of Centella asiatica and Its Triterpenes: A Review. Front Pharmacol. 2020;11:568032. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7498642/
- George M, Joseph L, Ramaswamy. Anti-Allergic, Anti-Pruritic, and Anti-Inflammatory Activities of Centella asiatica Extracts. Afr J Tradit Complement Altern Med. 2009;6(4):554-559. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2816466/
- Lee Y, Choi HK, et al. Inhibitory Effect of Centella asiatica Extract on DNCB-Induced Atopic Dermatitis in HaCaT Cells and BALB/c Mice. Nutrients. 2020;12(2):411. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7071208/