ICDは略称ではありません
日本語で検索すると、いまも「インセルダム」がほとんどです。サロンのメニュー名も「ICD(インセルダム)」と併記されていることが多い。それでICDはインセルダムの略称だと思っている方が多いのですが、逆です。
ICDが現在のブランド名で、インセルダムは以前の名前です。2018年に「인셀덤(インセルダム)」として韓国で始まり、2025年にICDへ切り替わりました。年明けにロゴとパッケージが刷新され、9月に公式のブランドブックで名称の転換が語られています。
そしてICDは、INCELLDERMを縮めたものでもありません。
| ICD の由来 | In Cell Dermatology(イン・セル・ダーマトロジー)の頭文字 |
|---|---|
| ロゴの作り | アルファベットの I・C・D を組み合わせた「彫刻的なモノグラム」 |
| 切り替えの時期 | 2025年。1月にロゴ・パッケージ・処方を刷新し、9月にブランドブックを発刊 |
| 旧ブランド名 | インセルダム(INCELLDERM/인셀덤)。2018年ローンチ |
「In Cell Dermatology」を直訳すると「細胞の中の皮膚科学」。元の INCELLDERM も In Cell Derm と読める作りだったので、名前を捨てたというより、意味のほうを前に出した改名です。
英語圏の販売ページでは「In Cellular Dermatology」と書かれていることもあり、表記は完全には統一されていません。ここでは韓国側の発表に合わせています。
手がけたのはペンタグラム。担当はポーラ・シェア
ICDのロゴとパッケージは、ペンタグラム(Pentagram)が手がけています。
ペンタグラムはロンドンとニューヨークを拠点にする、世界でもっとも知られたデザイン事務所のひとつです。パートナー制をとっていて、各パートナーが自分のチームを持って仕事を受けます。
ICDを担当したのはニューヨークオフィスの2人のパートナー、ポーラ・シェア(Paula Scher)とピョートル・ヴォロンコヴィッチ(Piotr Woronkowicz)です。
| プロジェクト名 | ICD Beauty |
|---|---|
| 拠点 | ペンタグラム ニューヨーク |
| パートナー | Paula Scher/Piotr Woronkowicz |
| チーム | Suguru Ogata、Kirstin Rocke-Huber、Billie Rene、Olivia Ray |
| 写真 | Grant Cornett |
ポーラ・シェアは、シティバンク(Citi)、MoMA、Windows のロゴを手がけたことで知られるグラフィックデザイナーです。
→ ペンタグラム公式サイトのプロジェクトページ:ICD Beauty
ロゴは「組み合わさった文字の彫刻」
ペンタグラム側は、新しいロゴマークをこう説明しています。
The new mark is a sculptural monogram of interlocking characters. A study in proportion and progression, each letter scales subtly in size, mirroring the form and function of the product.
Pentagram, ICD Beauty
訳すと「新しいマークは、組み合わさった文字による彫刻的なモノグラム。比率と展開の研究であり、各文字はわずかずつ大きさを変え、製品の形と機能に呼応している」。
I・C・Dの3文字が単に重なっているのではなく、1文字ずつ大きさが変えてあるということです。製品の並びも、大きさが少しずつ違うものが揃う構成になっています。
色は「グリニッシュアイボリー」
容器の色にはグリニッシュアイボリー(Greenish Ivory)という名前が付いています。緑がかった象牙色です。
この色は、済州の溶岩海水とジャイアント병풀(ツボクサ)を組み合わせた原料「溶岩병풀水」を象徴する色として選ばれたと説明されています。韓国側の言い方では「自然の清らかさと生命エネルギーを表現」。
純白
化粧品でいちばん多い地色
象牙色
白に黄みを足したところ
グリニッシュアイボリー
そこへ緑を寄せた、この記事で扱っている色
シカらしい緑
「CICA」で連想されがちな緑
実物は、白でも緑でもない、ややくすんだ淡い色です。棚に置いたときに主張しない代わりに、並べると同じ色の面ができます。ラインで揃えることを前提にした選び方です。
ふたのざらつきは、済州の玄武岩から来ています
もうひとつ、触ってはじめて気づくところがあります。キャップの表面には細かい凹凸があり、これは済州島の玄武岩がモチーフだと説明されています。
済州の溶岩海水は、火山岩の層を通るあいだに自然にろ過されます。その「ろ過する石」の手ざわりを、ふたに置いたということです。ボトルの形そのものも、原料のジャイアントビヨンプールを解釈しなおしたものだとされています。色・形・手ざわりの3つが、どれも同じ原料の話をしている作りです。
なお「溶岩병풀水」は原料としての呼び名です。日本向けの公式サイトでは「済州ラヴァミネラルウォーター」と書かれていて、全成分の表示に「溶岩海水」という言葉が出てくるわけではありません。ダーマの各品もラディアンソームも、表示のいちばん初めは「ツボクサ葉水」です。
iFデザインアワード2026を受賞しています
このパッケージは、iFデザインアワード2026のパッケージデザイン部門を受賞しています(2026年2月発表)。
| 賞 | iF デザインアワード 2026/パッケージデザイン部門 |
|---|---|
| 受賞対象 | ICD ダーマトロジーライン(ブースター・セラム・クリーム) |
| 主催 | ドイツのインターナショナル・フォーラム・デザイン |
| 位置づけ | 1953年に始まったドイツの賞。レッドドット、IDEAと並べて語られる |
受賞したのは、いちばん中心にあるブースター・セラム・クリームの3点です。日本で最初に買う人が手に取ることの多いダーマ ファースト パッケージとダーマ クリームが、これにあたります。
これはパッケージデザインに対する評価です。中身の性能や効果について何かを示すものではありません。
Primary source2026年2月27日の発表
この説明は、どこに書いてあるか
ロゴの成り立ちも、容器の色の名前も、ふたのざらつきの話も、出どころは同じ一枚です。iFデザインアワードの受賞を伝えた、RIMANコリア自身のお知らせに書かれています。
リマンコリア公式サイト RIMANニュース / kr.riman.com ↗
- ロゴは I・C・D を重ねた形「In Cell Dermatology」の意味を込めて、3文字を重ねてかたどったと書かれています。 ‘In Cell Dermatology’의 의미를 담아 알파벳 I·C·D를 겹쳐 형상화한 로고
- 容器の形は、原料の植物を読み直したものジャイアント병풀を再解釈して、簡潔で洗練された形にした、とあります。 브랜드의 핵심 원료인 ‘자이언트 병풀™’을 재해석해 간결하고 세련된 형태로 구현했다
- 色の名前は「グリニッシュアイボリー」済州の溶岩海水と合わせて生まれた「溶岩병풀水」から来ている色名だと書かれています。呼び名はここに出てくるものです。 ‘그리니쉬 아이보리(Greenish Ivory)’ 컬러를 적용해 자연의 청정함과 생명 에너지를 표현하는 동시에
- ふたのざらつきは済州の玄武岩から溶岩海水を自然にろ過する岩の性質を、手ざわりに置き換えたと書かれています。写真でも、製品が玄武岩の上に置かれています。 뚜껑 표면의 독특한 질감은 제주의 현무암을 모티프로 한 것으로, 용암해수의 천연 필터링 역할을 하는 현무암의 특성을 형상화했다
216ページのブランドブックが作られています
2025年9月、会社は公式のブランドブックを発刊しています。全216ページで、3つの章に分かれています。
| 章 | 中身 |
|---|---|
| ヘリテージ | ブランドの成り立ちと、独自原料「ジャイアント병풀」の開発の経緯。済州溶岩海水との組み合わせ |
| 革新 | 製品デザイン、研究開発の成果、技術面での取り組み |
| 創意 | リマンビレッジ、リマンファームといった施設と、デザイン・香り・製造・マーケティングに関わった人たちの話 |
3章では、リマンビレッジ・リマンファームといった施設と、デザイン・香り・製造に関わった人が紹介されています。原料の栽培から容器のデザインまで、自社側で抱えている範囲が広いということが、章立てからも見て取れます。
→ 原料そのものの話はジャイアントビヨンプールとはに、会社の話はリマンはどんな会社かにまとめています。
刷新は3ブランドすべてに及んでいます
2025年1月に発表された刷新は、ICDだけではありませんでした。同じ会社が持つ3ブランドが同時に対象になっています。
| ブランド | 中身 |
|---|---|
| ICD(旧インセルダム) | スキンケアとメイク |
| ボタラボ(BOTALAB) | ヘアケア・ボディケア |
| ライフニング(LIFENING) | 健康機能食品 |
このとき、名前とロゴと容器だけでなく中身の処方にも手が入っています。原料として「溶岩병풀水」「インセルソーム」「ジャイアント병풀アミノ酸」といった名前が新たに出てきました。
手元のパッケージが新旧どちらか
2025年より前に買ったものと、いま届くものではデザインが違います。見分け方はこうです。
- ロゴ。I・C・Dを組み合わせたマークが入っていれば新しいほうです。「INCELLDERM」と横書きされていれば以前のものです。
- 色。緑がかった象牙色(グリニッシュアイボリー)が新しいパッケージです。
処方も変わっているので、以前使っていたものと同じとは限りません。気になる場合は、容器や外箱の全成分を見比べてください。
なぜ日本ではまだ「インセルダム」なのか
日本での本格的な展開は2025年からです。ちょうどブランド名が切り替わる時期と重なりました。
結果として、日本語の情報には旧名のインセルダムと、新しいICDが混在しています。サロンのメニュー名に「ICD」と書かれているのは略しているのではなく、新しいブランド名をそのまま使っているということです。
検索するときは、どちらの語でも同じものにたどり着きます。当サイトも、探す方に合わせて両方の表記を使っています。
よくある質問
ICDとインセルダムはどう違いますか?
同じブランドです。ICDが現在の名前で、インセルダムは2025年までの名前です。日本語の情報には旧名がまだ多く残っています。
ICDは何の略ですか?
「In Cell Dermatology」の頭文字です。ロゴはI・C・Dを組み合わせて彫刻のように形にしたもので、INCELLDERMを縮めた略称ではありません。
パッケージは誰がデザインしたのですか?
ペンタグラム(Pentagram)のニューヨークオフィスです。担当パートナーはポーラ・シェア(Paula Scher)とピョートル・ヴォロンコヴィッチ(Piotr Woronkowicz)。ポーラ・シェアはシティバンクやMoMAのロゴで知られるデザイナーです。
グリニッシュアイボリーとは何色ですか?
緑がかった象牙色です。済州の溶岩海水とジャイアント병풀を組み合わせた原料を象徴する色として選ばれています。
デザイン賞を取っているのですか?
ICDダーマトロジーライン(ブースター・セラム・クリーム)が、iFデザインアワード2026のパッケージデザイン部門で受賞しています。カテゴリーは「ビューティ・パッケージ」です。ただしこれはパッケージへの評価で、中身の性能を示すものではありません。
古いパッケージのものは使えますか?
使用期限内であれば問題ありません。ただし2025年の刷新で処方にも手が入っているので、以前のものと中身が同じとは限りません。
中身のほうを見るなら
受賞したのはパッケージです。処方の中身は成分表から確かめられます。値段と製品の一覧もあわせてどうぞ。
