CICAとは

ツボクサの植物学──セリ科・腎形の葉・分布

「CICA」という響きからは想像しにくいかもしれませんが、ツボクサはれっきとした一つの植物種です。学名は何か、どんな仲間(科)に属し、どんな姿をしているのか──植物学の視点から、この草の“正体”を落ち着いて整理してみましょう。

学名と分類:Centella asiatica

ツボクサの学名(世界共通の正式名)は Centella asiatica(L.)Urban です。 CICA・シカ・センテラ・ゴツコラ・タイガーグラス──呼び名はさまざまですが、 植物として指しているのはこの一種だけです(呼び名の整理はこちらのページ)。 多年生のほふく性の草本で、地面を這うように広がって育ちます[1]

項目内容
学名Centella asiatica (L.) Urban
セリ科(Apiaceae/旧 Umbelliferae)
ツボクサ属(Centella)
生活形多年生・ほふく性の草本
和名ツボクサ(生薬名:積雪草)

セリ科(Apiaceae)という一族

ツボクサが属するセリ科(Apiaceae)は、私たちの食卓にもなじみの深い一族です。 ニンジン、セロリ、パセリ、ミツバ、セリ、パクチー(コリアンダー)などが同じ科の仲間。 セリ科は、小さな花が傘のように集まって咲く「散形花序(さんけいかじょ)」を特徴とする植物群として知られます。 ツボクサもこの一族の一員だと知ると、少し親しみがわくかもしれません。

用語のかみ砕き

「散形花序」は、傘の骨のように一点から花の柄が放射状に伸びる咲き方のこと。 ニンジンやセリの花を思い浮かべると分かりやすいです。ただしツボクサの花はとても小さく、目立ちません。

腎形(じんけい)の葉が目印

ツボクサの最大の目印は葉のかたちです。 丸っこく、つけ根がへこんだ腎形(じんけい=そら豆や腎臓のような形)で、 ふちにはゆるやかなギザギザ(鋸歯)があります。葉は長い柄の先につき、地面近くから立ち上がって見えます。 英語でpennywort(ペニー草)coinwortと呼ばれるのも、この“コインのように丸い葉”に由来します。

茎・花・全体の姿

茎はランナー(走出枝=ほふく茎)となって地面を這い、節から根と葉を出しながら横に広がります。 そのため一株でも地面をおおうように増えるのが特徴です。 花はごく小さく、淡い赤紫〜白っぽい色で、葉かげにひっそり咲くため目立ちません。 背が高くならず、地面に低く広がる姿は、栽培の面でも扱いやすさにつながります (育て方はツボクサの育て方・自生環境を参照)。

世界の分布

ツボクサはアジア・アフリカ・オセアニアなどの熱帯・亜熱帯に広く分布します[1]。 インド、スリランカ、東南アジア、中国南部、オーストラリアなどに自生し、 日本でも比較的暖かい地域の湿った土地に見られます。 湿り気のある半日陰を好み、水辺や田のあぜ、道ばたなど、生活のすぐそばに生えているありふれた野草です。

まとめ

  • ツボクサの学名は Centella asiaticaセリ科(Apiaceae)の多年生ほふく草本。
  • 目印は腎形(そら豆型)の葉。茎はランナーとなって地面を這い広がる。
  • アジア・アフリカ・オセアニアの熱帯・亜熱帯に広く分布し、日本にも自生する。

出典・参考文献

本記事の記述は、以下の一次情報(原著論文・公的資料等)にもとづきます。

  1. World Health Organization. WHO Monographs on Selected Medicinal Plants, Volume 1. 1999(Herba Centellae, p.77). https://www.e-lactancia.org/media/papers/Fitoterapia-WHO-01.pdf