アトピー・アレルギーとツボクサ──研究まとめ
敏感になった肌の悩みとして関心が高いアトピーやアレルギー。ツボクサ(CICA)には、これらに関わる炎症やかゆみを検討した研究があります。ここでは、その研究が細胞・動物のどのレベルで何を示したのかを、慎重に整理します。
アトピー・アレルギーの基礎
アトピー性皮膚炎は、かゆみをともなう炎症が繰り返し起こる状態で、肌のバリア機能の低下やアレルギー反応が複雑にからみます。 ツボクサ(Centella asiatica)が話題になるのは、こうした炎症やかゆみを抑える方向の作用を検討した研究があるためです。 抗炎症全般の話は抗炎症・鎮静の研究まとめもあわせてどうぞ。
はじめに大切なこと
アトピー性皮膚炎は医師の診療が基本となる疾患です。以下は「研究で何が検討されているか」の一般的な情報です。
皮膚モデルでの研究(アトピー性皮膚炎)
アトピー性皮膚炎を模した実験系(DNCBという物質で皮膚炎を誘発したモデル)を用いて、 ツボクサ抽出物の影響を調べた研究があります[1]。 これはヒト由来の培養皮膚細胞(HaCaT)とマウス(BALB/c)を使った研究で、 炎症に関わる指標が抑えられる方向の結果が報告されています。
「モデル」というのは、本物の病気そのものではなく、実験のために似た状態を人工的に作った系のことです。 人での効果をそのまま示すものではありませんが、仕組みを探るための重要な一歩です。
抽出物の抗アレルギー・抗かゆみ研究
ツボクサの抽出物について、抗アレルギー・抗かゆみ・抗炎症の作用を検討した研究もあります[2]。 アレルギー反応やかゆみに関わる反応がどう変化するかを、動物・細胞レベルで調べたものです。 「肌を落ち着かせる」という伝統的な使われ方と方向性が一致します。
研究レベルの整理
| 研究のレベル | わかっていること |
|---|---|
| 皮膚モデル(細胞+動物) | アトピー様の炎症を抑える方向の作用[1] |
| 動物・細胞 | 抗アレルギー・抗かゆみ・抗炎症作用[2] |
現時点の裏づけは、主に細胞・動物レベルの研究です。人での大規模な臨床試験による確定的な結論には至っていません。
大切な注意
アトピーやアレルギーは、自己判断でのケアがかえって悪化を招くことがあります。 症状がある場合は、化粧品でどうにかしようとする前に、必ず皮膚科など医療機関にご相談ください。 肌の基礎知識はCICAとは(基礎)もあわせてご覧ください。
出典・参考文献
本記事の記述は、以下の一次情報(原著論文・公的資料等)にもとづきます。
- Lee Y, Choi HK, et al. Inhibitory Effect of Centella asiatica Extract on DNCB-Induced Atopic Dermatitis in HaCaT Cells and BALB/c Mice. Nutrients. 2020;12(2):411. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7071208/
- George M, Joseph L, Ramaswamy. Anti-Allergic, Anti-Pruritic, and Anti-Inflammatory Activities of Centella asiatica Extracts. Afr J Tradit Complement Altern Med. 2009;6(4):554-559. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2816466/